2011年4月2日 土曜日 | No Comments »

3月11日午後2時46分とんでもない大地震が発生した。東日本大震災もしくは東北関東大震災、マグニチュード9.0、最大震度7の巨大地震である。岩手県、宮城県、福島県、の太平洋側沿岸が、地震による巨大津波に飲み込まれた。今日までで死者行方不明者は2万7千名を超えている。秋田市は震度5強だった。私は南通店にいてスタッフとともにすぐ外にでたが、地面が波打ち信号機がぐにゃぐにゃ揺れていて、下校途中の小学生が道路にうずくまっていた。停電になりケータイもほとんど通じず大変だったが、幸い秋田は被害がほとんどなかった。工場も無事だった。ラジオやテレビで被害の状況がわかるにつれ、とてつもない大惨事が起きた事を認識した。津波で家も車も工場も流されていく場面が繰り返し映し出されていた。まるで日本沈没か何かの映画を見ているようだった。まさに想定外、30メートルを超える津波に襲われた地域もあったようである。地震と津波によって福島県の原子力発電所も被害を受け、制御不能に陥り、放射能が漏れだす極めて危険な事故が起きた。周辺地域のみならず、日本全体、世界の国々が戦々恐々として、事態を見守っている。国際基準では原発事故の危険度レベル5だそうだ。人々も疑心暗鬼になっている。東京電力、消防、自衛隊、警察等関係者の懸命の対応が続いている。まだまだ予断を許さないが、無事終息してくれる事を祈りたい。数十万人の方々が被災し、避難生活をおくっている。ライフラインが寸断され、物流が混乱し、救援物資や食料が届かず被災地はまだまだ悲惨な状況が続いているようである。首都圏では電力不足による計画停電が実施されたり、ガソリンや水、パン、カップ麺、乳製品などの食品、乾電池が不足し、日本中が一部パニック状態になってしまった。幸い直接的な被害を免れた我々は冷静になってそれぞれができる復興支援の輪を広げていくことが大切だと思う。秋田では旅館組合の松村理事長が先頭に立って行政とタイアップして被災者を秋田県で受け入れる体制を整えた。かなりの支援物資、義援金が集まっている。天皇陛下の温かみ溢れるお言葉には大変感銘を受けた。今こそ日本国民が心を一つにしてこの大災害を克服していかねばならない。秋田においても観光関連産業、飲食業、小売業、製造業をはじめすべての産業が震災によるダメージを受けている。流通が混乱したため商品の出荷も原材料等の入荷もできない状態が続いたり、キャンセルが多かった。直接的な被害地ではないものの二次的な経済被害が大きくなっている。財務基盤の脆弱な中小企業は深刻である。行政、商工会議所、金融機関がスクラムを組んで地元経済が破綻しないようバックアップしていただきたい。精神的なストレスも大きくなっているが、こういう時こそ人と人のコミュニケーション、絆が大切である。元気な人たちはあまり萎縮しすぎずに日常生活を皆で協力しながら正常化して、明るく元気に前向きな努力を続けることが大事だと思う。阪神大震災からも神戸は力強く立ち直った。規模が違いすぎるが必ず東北関東は復活する。復興に向けてのエネルギーを終結させていこう!今こそ日本人の底力の見せどころである。がんばろうニッポン!がんばろう東北!

店頭ではさくらゼリー、ばっけしぐれ等春らしいお菓子が勢ぞろいし、彩り豊かに華やかになっている。こういうときこそお菓子で心を落ち着かせて笑顔になってほしいと思う。有事こそお菓子の果たす役割は大きい。ファイト榮太楼!美術工芸短大とのコラボレーションスイーツ「川反わころん」は4月23日に発売を延期した。態勢を整えて地域活性化に取り組んでいきたい。

長男紀敬が秋田南高校を卒業した。4月からは法政大学に進学する。卒業式でのPTA会長としての祝辞で、私は亡父敬二郎が私の学生時代に大学の会報に掲載した文章を贈る言葉とした。その中に秋田県出身の詩人八木橋雄次郎の「通信簿」からの引用がある。「わが子よ、通信簿に記載されている評価が思わしくないからといって涙を流すことはやめよ。父は信じている。お前はこれまで一円の金もごまかしたことがなかったことを。友人との約束はいつも果たしてきたことを。そして幼いものをかわいがり、弱いものをいたわってきたことを。お前の持っている潔癖と信義と親切は人間として生きていく為の至上のものだ。それなのにお前の通信簿のどこにそのことが記載されているというのだ。わが子よ、涙を流すことはやめよ。お前の父と母が目指しているもっともっと大きな通信簿にむかって歩いていこうではないか。」震災の影響で卒業式や入学式が中止や延期になってしまった学校も多い。こういう厳しい時代であるからこそ感謝の気持ちを忘れずに大きな通信簿を目標に人間として大きく成長していってほしいものである。長女香澄も二十歳の誕生日を迎えた。こどもたちの世代が切磋琢磨してこの国や秋田をよくする火種となってくれることを希求したい。

恩師である米田進先生が秋田県教育長に就任する事に決まった。先生は常に知識や学力、体力のみならず総合的な人間力を高める事、すなわち「知」「徳」「体」の充実を図ることの重要性を説いている。学力が評価されている秋田県がもっともっと器の大きな人間を輩出できるよう米田先生のご活躍を心からご期待申し上げたい。おめでとうございます。

千葉歯科医院の千葉正人先生が2月28日ご逝去された。弊社役員、監査役として永年お世話になった。いつも温厚で笑顔のやさしい方だった。趣味の八ミリ映画はプロ級でご葬儀でも先生の作品が上映された。ご子息の正明先生が現在は弊社役員であり、千葉家は三代にわたって榮太楼に対してご尽力いただいている。ご冥福をお祈り申し上げます。

キリン友の会が久しぶりに開催され(3日)キリンビールをこよなく愛するメンバーがキリンビール秋田支社の皆さんと交流した。4年間お世話になった森田支社長が東京にご栄転になることになった。森田さんのますますのご活躍をお祈りしたい。私のエネルギー源はキリンラガーである。

友人の松原さんが奈良に転居することになり、ご自宅でささやかな送別会が行われ、翌朝秋田港フェリーターミナルに家族でお見送りに行った。たくさんの九州や四国からの救急車両、クルーが交代のためフェリーで帰るところだった。頭がさがる想いだった。春は別れと出会いの季節でもある。

南通店店長として永年頑張ってくれた奈良さんが今月いっぱいで退職した。奈良さんファンのお客様も多い。このあとも時々助っ人をお願いすることにしている。感謝!

                                            社長 小国輝也

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