雨が多くすっきりしない4月だった。
秋田市の桜も昨年より開花が遅れ20日をすぎてようやく満開となった。千秋公園の桜まつりはかなり早くスタートしていたが出店も開店休業の日が多かったようである。ようやく22日に本丸も満開で見ごろを迎えた。そのせいか桜ゼリーをはじめ桜スイーツも例年より動きが鈍かった。
それでも週刊誌のプレゼント企画に桜ゼリーが掲載されたところものすごい数の応募はがきが届いてまだまだ全国にはさくらゼリーファンが多いなと新鮮な驚きがあった。
「つまんでさなづら」は裏千家の会報誌「淡交」に紹介記事が掲載され、おかげで「さなづら」のオーダーがネット通販でも増えている。いずれにしろ様々な媒体でPRすることによってお客様を獲得することにつながるのである。SNS全盛の時代ではあるが紙媒体やテレビ・ラジオといったオールドメディアもうまく活用して商売につなげていきたい。
秋田県知事選挙は鈴木健太さんが猿田和三さんを破って初当選を果たした。中盤まで大接戦といわれていたが8万票の大差がついてしまった。私は猿田君の同期であるので最後まで全力で応援したが届かなかった。秋田市長選挙は沼谷純さんが現職の穂積志さんを破って初当選。多選批判と外旭川地区の街づくり問題が争点になった。
秋田に限らず、日本全体が閉塞感に包まれている中で、変化を求め若いリーダーを期待している世の中の風潮が強くなっている。昔とは選挙についても有権者の投票行動が変わり時流が大きく変化しているように思う。
猿田さんが秋田に人生を捧げてこの愛する秋田をよりよくしていきたいという熱い志で挑戦したことは決して無駄にならない。このままいけば消滅してしまう危機的な状況にある秋田を何とかしたいという思いを秋田県民がもっていてこれからの秋田をどうしたらいいか深く考えるターニングポイントになった選挙だった。
あきたの新しいリーダーには全力でスピード感をもって前進してほしいものである。
私も発想を転換しながらこの秋田の発展に榮太楼が寄与することが出来るように商売に全身全霊をこめて打ち込んでいきたい。
山形県上山温泉の日本の宿古窯の佐藤信幸会長が旭日小綬章を受賞され、叙勲祝賀会が開催された。佐藤さんの父上とわたしの父・敬二郎が入魂の仲で、古窯さんとは昔から交流があって、旅館榮太楼も私も佐藤さんに大変お世話になり、佐藤さんが全国の旅館組合の青年部長時代には一緒に行動させてもらった。佐藤さんは全国旅館生活衛生同業組合の会長として東日本大震災の際には復興のトップに立ち、コロナ禍においても観光業界のため国を動かして活躍された。古窯さんを慕う300名以上の方々が参集し、パーティは大盛況だった。私も旅館時代の懐かしい先輩や仲間にお会いできて感無量だった。女将さんの洋詩恵さんは大相撲もお好きで私とは時々連絡をとっていて今も色々お世話になっている。旅館ホテル業界も大変革の真っただ中にあるが素晴らしい経営をされている古窯さんを見習って私も頑張っていきたい。古窯さんのスタッフのみなさんのおもてなし精神はほんとに日本一である。
9年前にライオンズクラブの交換留学で秋田にきて我が家にホームステイしていた台湾の呉心文(シンウェン)さんが家族で秋田に来てくれた。娘とも仲がよく家族でお迎えして交流することが出来た。秋田の滞在が2日間しかなかったが、鶴の湯、田沢湖、角館方面にお連れした。秘湯鶴の湯の入浴と山芋の鍋定食は喜んでもらえた。台湾からは東北にもたくさんの方々が旅行にきているが、仙台や山形、岩手が中心で秋田に宿泊するお客さんはまだまだ少ない。呉心文さんたちも話していたが、秋田は観光も食事も魅力的なものが多いのでもっともっと宣伝していけば多くの台湾人があきたファンになるのは間違いないとのこと。秋田県の観光誘致の戦術を練りなおしてインバウンド客を増やす工夫をしていきたい。いいアドバイスをもらったので私も近い将来台湾を訪れて交流を深めていきたいと思う。
竿燈まつり実行委員会の総会がキャッスルホテルで開催され、今年度の竿燈まつりの実施内容について審議した。沼谷市長になってはじめての竿燈になる。市民パレードも最終日実施されることが決まり、いよいよ観覧席の販売もスタートした。たくさんのお客様に秋田に来ていただきおおいに竿燈まつりを楽しんでいただきたい。
商工中金深川支店のユース会のみなさんが秋田ユース会との交流のために秋田にお越しになり、弊社榮太楼の工場見学をされた。商工中金町田支店長、深川ユース会の彦田会長はじめ12名のみなさんがきて、私が工場見学の案内をしたが、さなづらやさくらゼリーの桜の花の選別作業をご覧いただいたところ、手作業でていねいに作っていることや、工場内がきれいに整理整頓されていることに対してお褒めの言葉をいただいた。
異業種とはいえ首都圏の第一線で商売をされている経営者の皆さんに評価いただいたことはうれしいことである。試食をしてもらったさなづらと赤まん青まんもものすごく美味しかったとのことで喜んでいただいた。その後、ねぶりながし館で竿燈を見てもらい、夜は和食すがわらで、秋田と深川のユース会の交流会を行い有意義な一日になった。
郡山の薄皮饅頭柏屋さんのまんじゅう祭りにご招待いただき初めて参列させていただいた。本名会長とは昔から懇意にさせていただいておりお話は聞いていたがさすがに日本三大饅頭の一つである薄皮饅頭柏屋のまんじゅう祭りは素晴らしかった。神事に続き、饅頭神社の前に供えられた174キロの巨大な饅頭(今年は柏屋さんは創業173周年)に抽選で選ばれたお客様が「祈」という文字を書いて、近いうちに結婚予定の若いお二人がまんじゅうに入刀した。まんじゅうは後ほど参列者にお福分けとして配られた。薄皮饅頭の手作り体験コーナーもあり私もチャレンジさせていただいたがけっこう楽しかった。私がつくったものは薄皮やぶれ饅頭になってしまった。できたての薄皮饅頭をはじめさまざま和菓子洋菓子が販売されており、非常にたくさんのお客様が来店され行列ができていた。特に当日限定の生嘉衛餅は大人気だった。薄皮饅頭にチョコレートをかけて食べるコーナーもありさまざまなお客様を楽しませる演出があった。なにより柏屋さんのスタッフのみなさんのおもてなしスピリットに感動した。お菓子は人々を楽しませ喜ばせるためにあるのだということをあらためて実感した。柏屋さんにあやかって榮太楼も頑張っていきたい。
その後、新白河に行き大黒屋の古川社長にお会いした。昨年南湖公園のところにオープンした、南湖茶寮にご案内いただき様々な情報交換をすることが出来た。代表銘菓のだるま最中は秋田の星辻神社でも大人気であるが、今年正月に新発売した、餅入りやわらかサブレ「定信」(さだのぶ)はおおいにヒットしているとのこと。NHKの大河ドラマにあわせて開発したそうだが、松平定信は白河の皆さんにとっても素晴らしい殿様であり、その名を冠した「定信」はこのあとも大黒屋さんのメイン商品となるに違いない。古川社長、色々教えていただきありがとうございました。大変刺激を受けた福島紀行になった。商売繁盛のヒントをいただいた。秋田もこれから観光シーズン、榮太楼も力強く前進していこう!!
社長 小国輝也